「名探偵ピカチュウ」は、ポケモン大好きオタクが金を惜しみなく使って「好き」を表現した傑作っていう話(ほぼネタバレなし)
結論から言うとこの映画は面白い。ポケモンをよく知らない人でも大丈夫。
そもそも名探偵ピカチュウは原作のゲームがあり、それを実写化したわけですが、このゲームの存在を僕も最近まで知らなかったし。
ポケモンのゲームを遊んでいない人だって、「ピカチュウ」は知っていると思う。名前がぱっと出てこなくても、どこかで見たことがあると思う。
だから大丈夫。
ポケモンがそこにいるという現実。するとどうなるのか。
主人公ティムは、パートナーポケモンがいない。ポケモンは必要ない、と断固としてポケモンを持たない。保険会社に勤めているが、たぶん退屈は感じている。
そこを、引っ越すか何かで離れていく唯一の友人に心配される。パートナーがいないから。
また、ティムはルーシーという女性記者にも出会っていきなり、「パートナーはいないの?」と聞かれる。ティムも「みんなそればっかりだ」と嘆く。
そのパートナーっていうのは、親友とか、奥さんとかじゃなくて、「ポケモン」なのだ。もう結婚してるかどうかみたいなレベルなんですよ。
次に、すでに映画館で楽しんでポケモントレーナーの皆さんは、何種類のポケモンを見つけただろうか。これから見る人は、がんばって探して。
舞台であるライムシティは、言ってみればポケモンが放し飼いされている町である。で、ポケモンが人間生活の一部に組み込まれている。
(おそらく)郵便物を配達しているウォーグル、カビゴンが車道で寝ているから交通整理しているカイリキー、警察官と並んで歩くガーディ、ゼニガメ消防隊、何か知らんけど歩いてるだけで存在感がすごいゴルーグ。
レディ・プレイヤー1を思い出すよね。どこに何のキャラがいるのか、血眼になって探したでしょう。
僕の好きなポケモンは見つからなかったんですけどね。ドサイドンっていうんですけど。
狂暴なポケモンはやばい。
ゲッコウガはやばい。
ドダイトスもやばい。
メタモンが一番やばい。
随所に見られるポケモン愛。
開始からまず「ミュウツーの逆襲」を思い起こす人がほとんどだと思う。間違いなくそれを踏まえて最初のシーンがつくられている。
カントーという言葉まで出てくるし。あときのみカフェ。
ピカチュウの技。メタモンが変身した姿。何もかもがポケモンオタクじゃないとできない演出である。
きわめつけは、スタッフロール前のED。赤緑世代はぜひ見てほしいです。31歳の男にはぶっ刺さりました。
もう一度結論を言う。
面白い。見て。ピカチュウが可愛い。